冬になると、特に北日本や山間部で大雪に見舞われます。いくら毎年のことで慣れているとはいえ、積雪による交通麻痺は、生活インフラの停滞や経済活動の遅延、さらには救急車両の移動を妨げる要因となります。このような状況において、除雪車は重要な役割を果たしています。幹線道路や生活道路の除雪作業を迅速に行うことで、地域住民の安全と利便性を確保するだけでなく、物流や公共交通の維持にも貢献しています。しかし、この除雪作業にも多くの課題が存在しています。
除雪作業に関する課題
従来の除雪作業では、どの道路が既に除雪されているのか、どのエリアで作業が必要かといった情報をリアルタイムで把握することが困難でした。その結果、除雪車が同じ道路を複数回通る無駄や、作業が遅れたエリアでの住民からの苦情が発生することがありました。また、除雪作業の進捗を適切に管理するためには、多くの人員が必要となり、費用がかさむ問題もありました。これらの課題を解決するため、除雪車にスマートフォンベースの位置情報サービスを導入する実験をしてみました。

除雪が遅れ大雪に埋もれた車
除雪車の位置情報実験に関するレポート
以前小樽市において、ココイルBizをつかった実験を行っています。除雪車にココイルをインストールしたスマートフォンを車に載せ、リアルタイムで位置情報を収集する実験が行われました。この取り組みにより、以下の効果が確認されました。
- 作業の進捗状況が地図上で一目で確認できるようになり、状況把握や効率的なルートの選定が可能になりました。
- また終了後の履歴情報の把握により、今後の作業時間の効率化を図り、クレーム軽減と燃料費の削減が実現できると思われます。
- また履歴情報は、作業日報のエビデンスとしても活用可能です。
- 除雪状況を住民にオンラインで公開することができれば、苦情や問い合わせが大幅に減少すると思われます。
- さらに、作業員同士が位置情報を共有することで、緊急時の対応がスムーズになり、安全性の向上にもつながると思われます。
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ココイルをつかった作業結果。どの道路を除雪したかの把握がリアルタイムと事後で可能
除雪車と位置情報把握の有用性
除雪車に位置情報サービスを導入することで得られるメリットは非常に大きいといえます。リアルタイムでの作業管理による効率化だけでなく、住民への情報提供による満足度の向上、そしてコスト削減という具体的な成果が得られるからです。加えて、今後はこの技術を活用して、AIを用いたルート最適化や予測的な除雪計画の立案といったさらに高度な活用が期待できると思われます。

日本の冬を乗り越えるために不可欠な除雪車の役割が、位置情報技術の導入によってさらに進化できることが見込まれます。こうした取り組みを通じて、住みよい社会の実現に一歩近づいていることに寄与していきたいと考えています。
最適な活用方法を一緒に企画するところから協力させていただきますので、お気軽にご相談ください。